自己競落で抵当権も抹消される

自己競落の方法

 

自己競落は、「自分で落札する」という意味には変わりないのですが、いくつかの意味があります。

  1. 不良債権処理
  2. 居住者による競落
  3. 賃貸人による競落

不良債権処理

 

競売を申し立てた債権者が誰も買受人が出ないことから、自分で落札することを言います。

 

数字のマジックで不良債権処理をすすめるための手段として、かつてのバブルで痛手を負った不動産会社や金融機関で行われていました。

 

とりあえず、帳簿上は不良債権が処理されたことになるので、子会社を利用するといった形で行われていました。再建が映っただけに過ぎないのですが、放っておくよりマシという考えです。

 

居住者による競落

 

これに対して、占有屋などが使う自己競落はちょっと意味が違っていて、住んでいる人間あるいは債務者が自分で落札してしまう行為を指します。

 

例えば、住宅ローンが払えなくなった人の場合、半年の滞納後に競売となるので、その間に金を貯めて親戚から借金してでも知り合いに頼んで競落してもらいます。
もちろん、特別売却を狙います。特別売却の意味はこちら(裁判所のホームページ)→特別売却とは

 

そしてそこに住み続ける、というわけです。
債務ゼロにはならないのですが、かなりの圧縮ができるので、分割払い・利息停止等の話し合いはいくらでも可能になり、結果的に苦しい思いで住宅ローンを支払い続けるより楽になります。

 

賃貸人による競落

 

もう一つの居住者による競落は、所有者ではなく賃貸人のことを言います。
自分が占有居住者なので安心して落札できるのが最大のメリットです。
こちらも特別売却の可能性があるので、価格的にも安く入手できる可能性は高いのです。

 

第三者がこの手法をとるには、実際に占有している人との連絡が必要になります。
といっても、プロの占有屋と親しくなる必要はありません
普通に賃貸借している人からの情報でいいのです。

 

ただし、特別売却を狙ってたの落札者が参加しにくいように、家の前に政治団体を装った看板を出したり、不特定多数を出入りさせる虚偽の賃貸借契約を結ぶといった行為は競売妨害になるので、できません。

 

自己競落は、落札されれば処理されるとして、放っておいたのではいつまでたっても塩漬け不良債権になってしまいます。

 

一旦抵当権を抹消して、まっさらな不動産として市場に流通していけば、マネーフローに乗るはずです。登記簿上は抵当権がないまっさらできれいな権利関係になるからです。

 

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